アメリカのゴミ屋敷事情と心の闇−ゴミ屋敷番組「ホーダーズ」
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「アメリカにもゴミ屋敷ってあるの?」
そう思う方もいるかもしれません。実は、アメリカでは“ゴミ屋敷”の問題が社会問題として取り上げられるほど深刻です。
その実態をリアルに映し出しているのが、アメリカのリアリティ番組『Hoarders(ホーダーズ)』。
2009年から放送されている長寿番組で、心理的な問題を抱える“片付けられない人”に密着し、片付けのプロと共に再生を目指す内容です。
1.アメリカのリアル「ゴミ屋敷番組」とは?
“Hoard”は「ため込む」という意味。そこから、“hoarder(ホーダー)”はモノを過剰にため込んでしまう人のことを指します。
『Hoarders』では、心理カウンセラーや清掃業者、家族などがチームとなって、本人の心の問題と向き合いながら片付けを進めていきます。
NetflixやYouTubeで視聴でき、日本のゴミ屋敷とは一線を画すそのスケールに驚くかもしれません。
広大な家に大量のモノが積み重なり、中にはネズミや虫が走り回るケースもあります。
2.背景にある深刻な心の問題
とある女性のエピソードが印象的でした。この女性はあまりの散らかりぶりに規制違反による立ち退きを迫られることになりました。
彼女は母親を亡くして以来、母の遺品をすべて家に持ち込み、手放せなくなってしまったのです。
「このヘアカラー剤の匂い、お母さんの匂いがするから捨てられない」
そう話しながら笑顔で振る舞う彼女。しかし家の中は足の踏み場もないほどのゴミ屋敷状態。
心理士は「ユーモアは問題から目をそらす防衛反応」と分析しており、実際に彼女はジョークを交えながら片付けを避けようとしていました。
画像引用元/Netflix
結局その業者にお金を使わなかったことが分かり、その後は兄と大喧嘩し疎遠になっているそうです。
3.なぜアメリカに”ホーダー“が多いのか?
番組では、アメリカには約1,900万人のホーダーがいるとされています。その背景には、以下のような生活習慣や社会的要因があると考えられます。
1)モノがあふれる暮らし
他のアメリカ人のお宅にも何度かお邪魔したことがあるのですが、シンプルでスッキリしたいわゆるミニマリストのような部屋は見たことがありません。
ただし、ものが多くてもきれいに飾り付けをされている家も多かったです。そういうお家はもちろんお掃除もきちんとされています。
2)掃除や片付けの習慣が身についていない
アメリカでは小学校でも掃除をする文化がなく、片付けを家庭で学ぶ機会も少ないまま大人になる人が多くいます。
年配の方は掃除代行を頼むケースも多く、掃除が自力でできなくなると一気にモノがたまってしまうのです。
3)衝動買いと過剰なストック
ボランティア活動をしていると、タグ付きの新品の洋服(よく似た形で同じ色のものが多い)
や大量の食品が届くことがあります。買ったことを忘れてまた同じ物を購入してしまうと思われます。
また、転売目的で買った商品が売れずに積み上がっていくケースも見受けられます。

これが精神のバランスを崩した時にさらに買い物依存症に拍車がかかり、家に溜め込むだけ溜め込むボーダーズになるのではないでしょうか?
4.モノを減らすことの本当の意味
画像引用元/Netflix
我が家も引っ越し当初は前住人の置いていったものや、アメリカ人のおばあちゃんが持ち込んだ生活用品でキッチンが混沌としていました。
賞味期限が2年前の塩、使いかけの洗剤…結局、ほとんどを捨てることに。
私が「モノは少ない方がいい」と思う理由は、自分のためでもありますが、それ以上に“周囲の人が大変な思いをしないため”でもあります。
私にもしものことがあった時、日本語を話せないパートナーや、日本に住む家族に負担がかからないように。
そう考えて、日々少しずつ整理を続けています。
まさに“毎日が生前整理”。
モノと向き合うことは、自分自身と向き合うことでもあるのです。
5.あとがき
『Hoarders』は、単なる片付け番組ではありません。心の傷や孤独がいかに生活に影響を与えるかを考えさせてくれます。
モノを持ちすぎていないか?それが自分や家族にとってどう影響しているのか?一度立ち止まって見直してみるきっかけになるかもしれません。
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