【サインは“X”!?識字率70%のアメリカの田舎町で見たリアルな日常】

最終更新2025年12月13日
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識字率70%のアメリカの田舎町で、署名の代わりにXを書く教育の現実を象徴するイメージ



皆さんこんにちはYokoです!


アメリカ南部サウスカロライナ州の田舎町に住んでいると、日本では考えられないような日常にたびたび出会います。


先日、ある日本人の方とお話しする機会があり、その中で耳を疑うような事実を知りました。


それは「この地域の識字率が70%程度しかない」ということ。つまり、大人の約3割が文字の読み書きができないというのです。

1. サインが“X”? 驚きの識字率70%の現実

話をしてくれたのは、アメリカ在住約25年の日本人の方。国籍もアメリカに移しており、現地の教育事情にも詳しい方です。


その方曰く、この地域の識字率は約70%。話すことはできても、読めない・書けない人が一定数いるのだとか。


中には、自分の名前さえ書けない人もおり、契約書や書類にサインする際には“X”と書くのが一般的な方法なんだそう。


“X”=「私は文字が書けません」というサイン。驚きですよね?


では、アメリカ全体の識字率はどれくらいなのでしょうか?


2025年の米国成人の識字率が79%であることを示すレポートハイライトの画像


画像・出典元:THINKIMPACT
https://www.thinkimpact.com/literacy-statistics/


2025年のデータによると、アメリカ全土の成人識字率の平均は79%。


70%という数値は全国平均よりも低く、先進国アメリカで、こうした実情があることに驚かされました。



2. なぜこんなに低い?識字率と貧困の関係

公園で楽しそうに遊ぶ子どもたちの写真。教育環境の差や識字率の問題を考える背景として使用。

画像はイメージです


私が暮らしている場所は、森やトレーラーパーク、低所得者向け住宅が点在する、いわゆる「貧困層」が多く住む地域です。


教育と貧困には深い相関関係があり、家庭が教育に無関心だと、子どもが文字を読めないまま育つケースも珍しくありません。


たとえば、私の隣人家族の話。


3ベッドルームの小さな家に、大人4人、子ども3人、犬2匹が一緒に暮らしています。


娘たちは全員学校に通っておらず、「ホームスクールをしているから問題ない」と両親は言います。


でも、詳しく聞くと「体育(PE)」と「科学(Science)」の2科目しか教えていないとのこと。


「体育」は外遊び、「科学」は野生の小動物や虫を観察する… とのことでした。


実際、ある日、娘の1人が裸足で小さなヘビをつかんで遊んでいたのですが、あれも授業の一環だったようです。


正直、座学(読み書きや計算)を教えている様子はなく、親自身が文字を教えられない=読めない可能性があると感じました。


両親はどんな人たちかというと、この辺では一般的な父親は造園の仕事をしており、母親は地元の工場で働いています。 


3. ホームスクールが選ばれる理由と落とし穴


アメリカでは、ホームスクーリング(自宅学習)は全州で合法で、義務教育の一環として正式に認められています。


本来は、学校に通わず自宅で教育を受けられる柔軟な制度で、次のようなメリットがあります。



  • 指導内容を親が自由に決められる
  • いじめやトラブルを避けられる
  • 自宅・図書館・オンラインなど学習環境を選べる


しかし、本来は以下のような義務もあります。


  • 必修科目を網羅したカリキュラム
  • 出席記録・学力テストの提出
  • 教育局への定期報告


私の隣人一家の場合、このような公式な手続きをしている様子は見られません。



おそらく形式上“ホームスクール”と称しているだけで、実際には教育が行われていないケースでしょう。


もちろん、ホームスクール出身の成功者も数多くいます。


初代大統領ジョージ・ワシントン、発明家トーマス・エジソン、作家アガサ・クリスティーなどもその一例。


ただし、それは教育に熱心な家庭だったからこそであり、全ての家庭に当てはまる話ではありません。


参考サイト:SHINGA FARM  
選択肢が増えたアメリカの「ホームスクーリング制度」、コロナ禍がきっかけで人気に?


4. 実体験から感じたアメリカ教育の明暗

日本では「大人になって字が読めない人」なんて想像もできませんよね。


私も最初は信じられなかったのですが、実際に出会いました。


その男性は60歳前後。我が家が所有していたモバイルホームの元住人です。


数ヶ月も家賃を滞納し、「払う気はない」とまで言われ、立ち退いてもらいました。




賃貸契約書に名前を書いてもらおうとすると読めないし、書けない。



今どこにいるのかは分かりませんが、おそらくホームレス生活をしていると思われます。


名前なんて30文字もない。それを書けるようになるのに何日もかからないはず。


それでも彼は読み書きを覚えるより、「ホームレスの人生」を選びました。


5. おわりに

今回は、アメリカの田舎町で暮らす中で実感した「識字率の低さ」についてご紹介しました。


先進国といえど、教育格差の現実は想像以上に根深いです。


とくにホームスクール制度は、良くも悪くも家庭に左右される大きな要素だと痛感しています。


私たちが「当たり前」と思っている読み書きの力は、決して誰にでも備わっているものではありません。


教育の重要性を再確認するきっかけとなった出来事でした。


それでは、また次回のブログでお会いしましょう!


Yoko


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コメント

  1. 国土が広いので地域にばらつきも有りそう。

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  2. コメントありがとうございます。私もそう思います。誰でも読み書きできる日本の義務教育は素晴らしいですね。

    返信削除
  3. 大学で1900年代初頭のイギリスの短編を読んで暗記して、前に出て話すという試験があった時、通訳してる親友にいろいろ聞いたことがありました。識字率が低い(米国と同じ理由で)ために、単語や言い回しが、ブロークンで訳しにくく、覚えにくかったことがあります。産業革命のさなか、貧富の差や、都会と地方の差があったでしょう、、と今は思います。

    返信削除
    返信
    1. Miyaさん、コメントありがとうございます。

      貧富の差や、都会と地方の差は今ここでも感じます。

      主人曰く、この辺の年配の農家の人達は、学校はもちろん幼稚園すら行ってない人もいると言ってました。

      削除

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