【アメリカ田舎町の放し飼い事情】犬猫が増えすぎる本当の理由
先日、散歩中に思わぬトラブルに遭遇しました。放し飼いにされていた大型犬が突然私に飛びつき、嬉しそうに尻尾を振りながらじゃれてきたのです。
その際、思い切りひっかかれてしまい、3本の引っかき傷ができました。
襲われたというよりは、遊びたくて興奮していただけのようでしたが
私の家の近所では1匹だけではなく多頭飼いしている人が多いです
今回は、私が暮らしているサウスカロライナ州の田舎町で見聞きしたペット事情をお伝えしたいと思います。
2.猫が増えすぎた家の末路とは
3.アニマルコントロールってどんな仕組み?
4.命の分かれ道?2つのアニマルシェルター
5.飼い主の責任と動物たちの未来
私の住んでいる地域では、犬を放し飼いにしている家が非常に多いです。
家の前の道路に飛び出さないの?と不安になりますが、きちんとしつけられている犬は道路に出ることは少ないようです。
なかには、一定の範囲を超えると電気ショックが作動する首輪を付けられている犬もいるそうです。
これはさすがに虐待に近い印象を受けましたが、こうして“見えない柵”で管理されている家庭もあるようです。
また、正式なブリーダーではなく、犬を増やして売っている個人もちらほら見かけます。フリーマーケットなどで子犬を販売している姿も珍しくありません。
先日、近所で子犬が8匹生まれた家があり、すべて放し飼いで育てられていました。
道路に出てくることもしばしばあり、うちの隣のおじいちゃんの家にまで遊びに来て、猫のエサを食べる姿も。
その家の子どもに「1匹どう?」と何度も勧められたこともありました。
断っても何度も声をかけてくる様子から、「売れ残っているのかな?」と心配していたところ、数日後にはすべての子犬が「無事売れた」とのことでした。
また、別の家では高齢の女性が数え切れないほどの猫を飼っていた時期がありました。
避妊・去勢手術をせずに猫同士で交配を繰り返し、あっという間に収拾がつかなくなったそうです。
悪臭は家の外まで漂い、地域でも問題になっていたようです。
その女性が亡くなった後、何十匹もの猫たちはアニマルシェルターへ引き取られていきました。
その家には後に新しい住人が入居しましたが、「室内の臭いが強烈で、1年以上窓を開けっ放しにしてようやく消えた」と話していました。
まさに、動物が増えすぎた末路を象徴する出来事でした。
こうした放し飼いや多頭飼育の問題に対処するのが、「アニマルコントロール」と呼ばれる団体です。
住民が通報すると、アニマルコントロールのトラックが出動し、放し飼いの犬や猫を捕獲。その後、アニマルシェルターへと移送されます。
私の住む地域にも以前は存在していたのですが、現在は運営されておらず、放し飼いの犬猫が増えている一因にもなっているようです。
アニマルシェルターにも種類があります。1つは、すべての動物を受け入れる代わりに、安楽死を選択するタイプ。
もう1つは、収容できる数に制限を設け、きちんとケアした上で里親に引き渡すタイプです。
前者では、1つのケージに複数の犬や猫を入れざるを得ず、騒音もひどくストレスも多い環境になります。
後者は1匹ずつ丁寧にケージに入れられ、環境も清潔で静か。犬と一緒のヨガイベントなどを開いて、保護犬との交流の機会を提供している施設もあります。
どのシェルターに運ばれるかによって、動物たちの未来は大きく変わってしまいます。
動物たちが増えすぎてしまう背景には、飼い主の無責任な行動があります。
避妊・去勢手術をしない理由を尋ねたところ、「Lazy(怠け者)な人はやらない」というのが地域の人の答えでした。
もちろん、すべての人がそうではありません。でも、少なくとも命に責任を持つ意識が、もう少し広まることを願っています。
どのシェルターに運ばれ、どんな最期を迎えるかは、動物たち自身が選ぶことはできません。その運命は、すべて人間の手に委ねられています。
以上が、サウスカロライナ州の田舎町で見たリアルなペット事情です。
また次回のブログでお会いしましょう!
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